今回の内容
数学が2→4に上がった生徒に試した2つのアドバイス
中学受験科の生徒たちが無事第一志望校に合格してホッとしている長谷川です。
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次は高校入試ですね。
それと並んで学年末テストが実施されます。
そこで今日は学力を上げるための大切な視点を、心理学や脳科学の視点を交えてわかりやすく説明します。
この視点を持つだけで学力が向上するので通知表の成績(内申点)も上がる可能性が高まります。
可能性が高まるという言い方をしたのは内申点はテストの点数だけでは決まらないからです。
*内申点を上げるたい方はぜひ「まだまだ上がる内申点!」を読んでみてください。
今回の内容をきちんと子どもが理解して実践してもらえば、学力は間違いなく高まります。
逆に言うとこの視点を持たないで、今まで同じように勉強していたら成績は上がらないでしょう。
周りの子供たちの意識が高まってきたら、下がる可能性すら出てきます。
ですから、これからお話しすることをぜひメモに書いて実践してくださいね。
数学2から4に上がった生徒の実例
まずは具体例です。
その男の子は中学2年生でした。
野球部の男の子でした。
数学は計算から躓いていて、本人も嫌いだと言っていました。
一番はじめに行った計算のテストは100点中10点でした。
そんな数学が苦手な彼に私はあるアプローチを行いました。
その結果、数学の成績が2から4に上がったのです。
もちろん直ぐにではないです。
心理的な要因が大きかったので約10ヶ月かかりました。
まず私が何をしたのかと言うと「面談」です。
彼のことがよくわからなかったので色々な角度で話を聞きました。
彼には優秀なお兄さんがいました。
県下のトップ校に進学し、部活動では部長を務める優秀な兄です。
小学校までは彼は野球が大得意で、「俺には野球がある」と言う自信があったので大丈夫だったのです。
そこで中学校に入学と同時にクラブチームに入ったんだそうです。
ところがクラブチームには優秀な人が多くて、彼は練習についていけなくて挫折してしまったのでそうです。
それがきっかけで、勉強もやる気がなくなり、塾もサボるようになったとのことでした。
色々聞いているうちにお兄さんに対するコンプレックス、兄には何をやっても勝てない。
どうせ勉強したって兄のようになれるわけない、と勝手に思い込んでしまっていました。
私は彼に「お兄さんのことはどうでもいいから、数学の成績を上げたいか」聞いてみました。
はじめ悩んでしましたが「せめて3にしたい」と言ってきました・
そこで、「じゃあこれから君の数学の成績をアップさせるプロジェクトを作ろう!」と話しました。
私からは2つのお願いをしました。
1. 数学の成績を必ず3に上げるって意識しながら勉強すること
2.「どうせ無理」とか「俺はバカだからやっても無駄」とかのマイナス発言をなくすこと
この2つだけ約束しました。
その結果彼は中学2年の学年末には3に、中学3年生になった時は4になりました。
そして同じ野球部の友達に数学を教えるようにまでなってました。
もちろん、簡単じゃないですよ。
はじめのうちは「ダメだ、俺には無理だ」って何回も言ってましたから。
その度に私は言い直しをさせてました。
「いやまだ慣れてないだけだ、これからこれから」のようにプラスの発言に変えさせてました。
しばらくすると彼が自分でこんなことを言いはじめした。
「ダメだ…、はダメだ。もう1回やる」
そうなんです自らネガティブな発言が出たらそれを意識的にポジティブな言葉に変えるようになってたんです。
私が気をつけていたのは、
毎回の授業で野球部の話とかを聞いて必ず彼の活動を「承認」することと、
他の生徒と比べないことです。
それだけです。
人は承認されているとわかったら勝手に成長していくんです。
この分野は絶対にものにするぞ!という意識を持たせるには?
彼の場合は「数学を2から3に上げる」と言う意識でした。
このように、まず大切なのは「やるぞ!」という「意識」です。
成績が上がらない子どものほとんどは、「意識」を持って勉強していません。
なんとなく勉強しているのです。
先生や親から怒られたくないから、宿題をやったという既成事実を作っている子どもは多いです。
酷い場合は、答え合わせの段階で間違っているのに平気で丸をつけてしまいます。
中には答えを写してばかりいる子どももいたり……。
なぜ子どもたちがそんな行動をとってしまうのでしょうか?
人間はもともと勉強が嫌いだから仕方ないことなのでしょうか?
いえいえそんなことはありません。
人は必ず成長したいのです。
それを阻害しているのは小さい頃からの先生などの大人の対応です。
子どもが「先生から認められてない」と無意識で捉えているからなのです。
心理学で言う「承認欲求」が満たされてないのです。
たまに頑張っても「その程度、誰でもやってる」とか「そんなんで勉強した気になってるの?」とか
他人の水準をその子の水準に押し付けてしまってはいけません。
「なーんだ、頑張ったって怒られんだ。バカにされるんだだったら勉強なんて真面目にやるもんか!」って言う気持ちになってしまいます。
もちろん時には上を目指す意味でライバルと比較することは意味があります。
でもそれはある程度勉強をしっかりやれるようになった意識の高い子どもに言うべきことなのです。
なのにそれすらわかってない教師からの攻撃で「勉強に対してやる気を失った子どもたち」は実に多いです。
ですから、勉強が嫌い、勉強のやる気がない子どもに対しては、やったことに対して手放しで承認すべきなのです。
まずは勉強を少しでもやったことに「勉強やったね」とか「頑張ったね」などの言葉かけをしましょう。
まずはお母さんが笑顔で子どもの小さな努力を認めてあげてください。
毎日の小さな承認が子どもの勉強に対するネガティブな気持ちを溶かしてくれます。
そうなると子どもは少しずつ勉強に対して前向きに取り組むものです。
そして中間テストや期末テストなどの定期テストなど、目標になりやすい時が来たら子どもと話をして、どの教科なら頑張れるかを1教科決めましょう。
テストでの具体的な目標点などを書き出させてください。
それを机の前に貼るとか常に「意識」できるようにしてください。
前向きな意識を持つことで学力が上がることは実証されています。
マイナス発言をしたら直ぐにプラスに言い換えさせる
言葉は大切です。言葉で人生は代わります。
なぜかというと、それは脳のはたらきと関わっているからです。
脳はすべての情報を受け取っているわけではありません。
必要な情報だけを取り入れようとしています。
脳には「毛様体賦活系」という仕組みがあります。
これは必要な情報を集めて取り入れるはたらきをします。
どんな情報が必要な情報なのかというてと
「生命に関わること」と「思い込んでいること」です。
「俺はダメだ」と言葉で発してしまうと耳で聞いて、脳に送られます。
そんなことがなんども繰り返されると、脳は「この情報は命に関わるものだ」と勘違いしてしまい、それに関する情報を集め出すのです。
ですから「俺にはできない」とか「俺にはダメだ」というと、脳は「俺にはできないダメ」だということを証明するような情報を集め始めます。
その結果はもうお分かりですよね。
ですから「マイナスの発言は、直ぐにプラスの発言に言い換えること」にしましょう。
何回も言っていくうちに「潜在意識」に組み込まれて勉強に対する「マイナスの思い込み」が「プラスの思い込み」に書き換わります。
そのくらいで書き換わるかは、子どもの状況によって変わってきますから、ここは辛抱強くいってください。
今までの流れをまとめると、次の2ステップです。
1.この分野は絶対にものにするぞ!という意識を持つ。
2.マイナス発言はしない、してしまったら即座に言い換える
これを習慣化してしまえば、あなたのお子さんの学力は上がります。
この2ステップを有効化するポイントは「承認」でしたね。
子どもの小さなプラスの行動を「承認」するようにお母さんが「意識」してくださいね。
お母さんが「意識」することでわが子のプラスの行動を認識しやすくなりますから。
まずは、お子さんの小さな行動を「承認」するところから始めてみましょう。
頑張ってくださいね。
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