お母さんが子どもの名コーチになるためのヒント
こんにちは、長谷川です。
これは現在作成中の電子書籍のあとがきにも書いたことです。
私が学習塾の教室長として指導していたときのこと。
野球が大好きなやんちゃ坊主が入塾してきました。新中1の春期講習会から入塾してきたのですが、入塾3日目、休み時間に教室で友達とふざけていたため足を痛めてしまうほどやんちゃでした。
本人が言う塾に入った理由は、周りから「お姉さんは頭がいいのに、お前は野球だけだな」って言われてたので、中学になったら少しは勉強しようと思ったからだったと記憶しています。
そんな彼の母親と面談が、今回のテーマ「お母さんが子どもの名コーチになるためのヒント」になります。
そのお母さんは、中間テストや期末テストがはじまる2週間前くらいに、子どもと作戦会議を開いていたんだそうです。
ここまでは、よくある話なのですが、そのお母さんが凄いなと感じたのは、お母さんから「こうしなさい!」と言った、ある意味命令調なことは何ひとつ言わず、全部本人に決めさせたそうです。
前回のテストでの反省から、次に同じミスをしないために何をしたら良いのか?それを本人と話し合って決めていたそうです。
その際に、お母さんからは一切これをやりなさいとは言わないのです。
実はこれ、まさにコーチングの手法なのです。
私はキャリアカウンセラーの資格を持っているので、もちろんコーチングについても学んでいます。私が取得したTCCマスターキャリアカウンセラー(標準レベル)の実技試験では、傾聴だけでなくコーチングも試験範囲だったんです。
また、国家技能士の資格である2級キャリアコンサルタント技能士(熟練レベル)の実技試験ではクライエントの問題点を解決するための具体的方策を行います。その際にもコーチングの手法は使います。
ですから巷に溢れるなんちゃってコーチよりも、コーチングについては詳しいし、ちゃんとした手法を学んできました。だからこそ、このお母さんの凄さはわかるのです。
では、このお母さんの子どもとの作戦会議のどこがコーチングの手法なのかというと「子どもがやることを本人に決めさせた」という点です。
コーチングでは「こうしなさい」とか一切言いません。
なぜなら、クライエント本人が決めたことでないと、達成率が下がるからです。
言い換えると、本人が決めたことは達成率が高まるのです。
勉強方法を本人に決めさせるために大切なこと
でも子どもがどんな勉強をして良いのかわからない場合はどうしたら良いでしょうか?
まず、一つはお母さんの方から「例えば学校のワークを2回解いてみるとか、みたいなことでいいから何か考えてごらん」と具体例をぶつけてみます。
中には「それでいい」という主体性のない返事がある場合は、怒らずに「自分で考えてみて」と笑顔を伝えましょう。
ここは辛抱強くいきます。特に勉強に苦手意識を持っている場合や、ちゃんとした勉強をしてこなかった場合、本人は本当に何をして良いのかわからないんですね。ですから具体例を上げて考える方向性のヒントを与えることが大切です。
そのとき子どもから「◯◯する」と出てきた場合で、明らかにそれじゃダメだろうと思った場合、否定するのではなく「それも良いね、他にも考えてみよう」ともう一度考えるように促しましょう。
子どもが考えて言ってきたことは承認することが大切です。
承認した上で促すのです。
もし複数出てきた場合は優先順位をつけます。その際にはハードルの低いものを1番に持ってくることが大切です。
なぜなら、一つクリアーすると、精神的に自信に繋がるので、次へのステップが軽いからです。
このように、あくまでも「本人が自分で考えて自分で勉強することを決めた」ところが最重要です。
その方が達成率が高まることが心理学でも証明されているからです。そして、自分で考えて、自分で決めたことをやり遂げたという体験が子どもを大きく成長させていきます。
それが、定期テストで点数を取るという経験が社会生活でも活躍できるに鍛えられていくんですね。
私も宿題忘れが多い生徒を担当するときはこの手法を使います。そうすると達成率は高まります。1回でダメでも辛抱強く繰り返します。
で、冒頭に出てきたやんちゃ坊主がどうなったか気になりますよね?
はい、ちゃんと結果を残しました。
最終的にはオール5を取って県下NO,1の公立高校に合格しました。
もちろん、得意の野球で4番・エースとして活躍しながらです。
高校に行ってからも、野球部で活躍していました。
こう聴くと「その子はたまたま頭が良かったんだよ」って思われるかもしれません。
ですが、その当時理数系を指導していた私の印象は、そんなに優秀とは思っていません。むしろ努力してできるようになっていったというタイプです。
私はお母さんとの「定期テスト作戦会議」がこの子の能力を伸ばしていったと捉えています。
ぜひ、あなたの子どもの能力を伸ばすヒントにしてください。
PS 先日、小学6年生の女子生徒からもらいました。
左が幼少期の私で、右が私の分身だそうです(笑)
嬉しかったです。ありがたいですね。感謝!
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