先生の無責任な言葉に傷ついている子供たち
「俺頭悪いから無理だ……」
小学6年生の男子生徒の発言に、
私はこう応えました。
「自分にダメ出ししたら駄目だよ。
自分は自分を守ってくれる唯一無二の存在なんだからね。」
突然涙を流しながら泣き出す生徒……。
ゆっくりと彼の話を傾聴していくと、
その深層心理には、
「前、学校の授業中に手を挙げて発言したら先生に「お前馬鹿じゃないの!?」って言われて。
それもみんなの前で言われたから、悔しかったけど恥ずかしかったし、悲しかった…」
その子は涙目で話してくれました。
実は、彼の「俺頭悪いから無理だ……」の前には私とこんなやり取りがありました。
並べ方の授業で彼は「先生これってこうやって掛け算すればできることに気がついたよ!」って言ってくれたんですね。
そこで私は
「おっ!すごいね!じゃあなんでその計算で答えが出るのか考えてみようぜ」
と話したら、
「俺頭悪いから無理だ……」
と続いた訳です。
いいですか、
褒められたのに自信のなさから思考を停止してしまったんですよ、彼は。
彼が思考を停止した裏には「学校の教師による彼に対する暴言」があったのです。
この話、私も経験あるので彼の気持ちがよくわかります。
中学2年生の英語の授業の時に、先生から当てられて答えたら皆んなの前でディスられました。
それ以来その先生の授業を真面目に受けるのを辞めました。
英語は塾で習っていたので、塾の授業だけ理解することに決めたんですね。
こういう話をすると、
「社会に出たらもっと厳しいことを言われるんだからこんなことで挫けては駄目だとか、」
言う人間心理のことをまるで分かっていない人が出てきます。
特に体育会系出身の人に多いですね。
あのね、
実際に彼は何年も前に言われた教師の発言から思考停止してしまったんですよ。
相手は小学生ですよ?
視野の狭い自分のことが客観視できない人の意見ですね。
そんな無責任な意見に子供達の可能性や夢をぶち壊され無いように注意しましょう。
子供の能力を伸ばすのは「愛情」です
子供の能力を伸ばすのは「愛情」です。
これは間違いありません。
愛がないところに子供の正常な成長はあり得ません。
そのためには、まず受け入れること。
間違ったって良いんです。
それよりも子供がどうしてその答えにたどり着いたのかを聞いて、そこから正解に導くように促せばいいだけ。
そのスキルを持っていないレベルの低い人たちがさっきのような暴言を吐くんです。
そして学ぼうともしない。
幸福度ランキングでいつも上位にいるデンマークの教育は個々の自由を重んじています。
実際にデンマークの現場に行って視察した方から、こんな子供を馬鹿にするような接し方はしないと聞きました。
日本の教育は「オワコン」と言われています。
もう時代遅れなのです。
「大学入学共通テストへの記述式問題導入が見送られる」ニュースもありました。
教育改革も小手先に終わっている感じがして悲しいですね。
子供たちは傷ついています……
今回なんでこのような話をしたかと言うと、
9月くらいから、不登校になった高校生の支援をするようになったからです。
私が担当している子どもたちは皆素直でいい子ばかりです。
なんでこんな素直ないい子が学校に行けなくなるのか。
理由は様々ですが、やはり自己肯定感の低さを感じます。
私は国家資格であるキャリアコンサルタントでもあるので心理学も学んでいます。
その関係から「心理学」を教えたりもしているんですね。
*社会人向けの「信頼関係を作りながら教える・伝える技術講座」もやっています。
もちろん大学の心理学部で学んだわけではありませんが、
私には31年間で2,500人以上の子供たちとその保護者との関わりから学んだ体験則があります。
それに、キャリアコンサルタントの資格を取得する際に学校で学んだことで、それが体系化されました。
それから、人間心理が面白くなって毎日のように学び続けて、自分で実践してその効果を検証しています。
今では、実体験に基づくものと理論が融合したので、さらに自信を持って生徒と接することができるようになりました。
心理学を教えている生徒は「とても面白い!」と言ってくれます。
自分の辛かったことと重ね合わせて学んでくれるのでより理解が深まるのだと思います。
先日の授業の時に「先生から言われたことをやってみたら、今までとは違う反応で驚きました。心理学って凄いですね!」と言ってくれました。
学ぶだけでなく、実生活にとり言えれて実践する彼らを褒めました。
素直ですよね、学んだことを実際にやってみるんですから。
あらゆる市場で「教育ビジネス」が流行り始めています。
その根本になるのは、
小手先の教える技術ではなくて、信頼関係をうまく作れるかにあります
。
自分の意見を主張するのはその次です。
学校の先生など人に何かを教える仕事をされている方へ、
教え方の前に、子供たちとどうやったら信頼関係を築けるのかを、
もっと深く学んだ方が良いのではないでしょうか?
学習塾の現場や不登校の高校生の支援をしていると、とても強く感じます。